ギリシア神話の穀物の女神「神話・占い・女神」

メテルとは「母」を意味し、デは未詳ながら大地、または大麦と関連する語と考えられている。

つまり、大地の生産力、とくに穀類を育てる力を神格化したものであろう。

古代ローマではケレスと同一視された。

娘のコレKoreとともに「ト・テオ」to theoとよばれ、エレウシスを中心にギリシア各地で崇拝された。

アテナイなど多くの地方では、豊作を祈って10月から11月にかけて、婦人だけが関与するものとして有名な「テスモフォリア」の祭りが両女神の神域で催された。

両女神の性格がはっきり示されるのは、エレウシスの秘教の神話であろう。

冥界の王ハデスは、ゼウスの助力を得てペルセフォネを強引に冥府へ連れ去り妻とした。

娘の叫び声を聞いたデメテルは、炬火を手に地上の隅々までさまよい歩き、9日間娘を捜し続けたのち、太陽神ヘリオスから事の真相を知らされる。

そしてゼウスが助力したことを怒って身を老婆に変え、エレウシスにやってくる。

そこでエレウシスの王ケレオスの子デモフォンの乳母となり、ひそかにその子を火中へ投じて不死にしようとしたが、ケレオスの妻メタネイラに発見されて正体を現し、ケレオスに築かせた神殿に身を隠してしまう。

そのため大地は不毛となる。

そこでゼウスは、ペルセフォネが1年の3分の1を夫ハデスのもとで、残りの3分の2を母や神々のもとで過ごすように決めた。

こうして女神の怒りは解け、大地も実りを取り戻す。

デメテルが娘を求めて世界を放浪する間に、女神の事跡と伝承が各地に残された。
update:2010年02月15日